出典:psypost「https://www.psypost.org/people-with-children-report-lower-romantic-love-intimacy-and-passion/」
最近の25か国にまたがる大規模な調査で、子どもがいるカップルは、子どものいないカップルに比べて、パートナーに対する「ロマンチックな愛情」「親密さ」「情熱」の自己評価が低い傾向にあることが分かりました。ただし、子どもの数の多さではなく、「子どもがいるかどうか」の有無が影響していたようです。この研究は専門誌に発表されました。
ロマンチックな愛とは何か?
ロマンチックな愛は、愛情や恋しさ、相手への強い思い、そして心理的なつながりから生まれる強い情動と動機づけの状態です。生物学的・心理的・社会的要素が入りまじり、親密な関係を築くうえで重要だと考えられています。
調査の内容
この研究では、25か国に住む、長期間パートナーと関係を持つ3187人(平均年齢 約39歳、既婚または婚約中の人が82%)を対象にしています。
彼らはアンケートで「親密さ」「情熱」「愛情の深さ」を測る尺度に答え、自分たちの子どもの有無や数も報告しました。平均で子どもの数は約1.56人でした。
結果 ― 子どもがいることで“愛の感じ方”に差が出る
分析の結果、子どもがいる人たちは、子どものいない人たちと比べて、
- 全体としてのロマンチックな愛
- パートナーへの親密さ
- 情熱
が低めである傾向がみられました。
一方で「関係の安定性や責任感」を示す“コミットメント”については、子どもの有無による違いは確認されませんでした。つまり、子どもがいても「関係を続けたい」「支え合いたい」という思いは残りやすいようです。
なぜ“愛情”や“情熱”が下がるのか?研究者の考察
この傾向は、子どもがいることで増える「疲労」「ストレス」「生活の変化」「金銭負担」「ワークライフの衝突」など、育児と家庭生活に伴うさまざまな負荷が影響している可能性があると研究者は指摘しています。こうした負荷が、パートナーとの親密さや情熱、ロマンチックな愛情の維持を難しくしているかもしれないということです。
この結果は、子育て期のカップルにとって、ふたりの関係を支える工夫やサポートの必要性をあらためて示しています。

